生前整理とは
生前整理とは、自分が死んだ後に、家族に葬儀や遺産・相続問題で問題が発生しないように、「生前」から身辺の「整理」を行うことです。
近年注目される「終活」などと一緒に話題とされることの多い単語の一つですから、目された事があるかと思います。
単純に生前整理といっても、その形態は多種多様。
インターネット上でも様々なサイトで生前整理についての必要性や方法についての情報が氾濫しているようです。
しかしながら、あからさまな集客手段として記事が利用されているケースが多いのも事実。
そこで、ご高齢の方よりもインターネットにより身近な、子供や孫の世代の方々に当てて、「生前整理」について簡単にご説明をしたいと思うようになりました。
今回は、子供や孫世代のあなたが、正しい知識を身につけて、ご自身の両親やご家族の力になっていただければと思います。
終活についての詳しい情報は、以前記事でもご紹介しておりますので、ご覧ください。
どうして生前整理が必要と言われるのか
どうして生前整理が終活などの関係からこれほどまでにクローズアップされるようになったのでしょうか。
1.家族に負担をかけたくない
ご高齢の方は、若年層と比較してはるかに裕福です。
ガベージニュース「世帯主の年齢別貯蓄総額分布をグラフ化してみる(2017年)(最新)」によれば、
「二人以上世帯の総貯蓄の7割近くは、60歳代以上の世帯だけで有する」「二人以上世帯の総貯蓄の約85%は、50歳代以上の世帯だけで有する」
ということです。
つまり、大抵のご高齢者の方は、亡くなる時点である程度の財産(平均:2,446万円・出典同上2016年の70歳以上の高齢者)を持っていらっしゃることになります。
この財産分与であったり、遺産相続の問題は、一般の幸せな家庭でも骨肉の争いに発展しかねない憂慮すべき問題です。
もちろん、ご自身が亡くなってからでは、遺産について口を出す事ができません。そのため、事前に準備したいとご相談されるお客様が多いのです。
こうした法務的な分野は、弁護士さんなどの領域になるのですが、ご紹介しているような遺産相続トラブルは、残念ながら散見されます。
ですから、あなたのご両親やお祖父様、お祖母様が、事前に家族への負担を考慮して色々決めたい、親心からこのように考えて依頼されるケースが多くございます。
残された実家の整理についてや、そのトラブルの内容は、以前紹介したこの記事からもご覧いただけます。
2.自分自身の判断能力が低下してきたときに安心だから
ご高齢の方が、残念ながら病気で入院したり、認知症を患うことになった場合、自分の意思をはっきりと表明できるように事前に自分の意思を表明したい、との想いから生前整理したい、とご相談いただく事があります。これは、近年特に増加している印象があります。
例えば、「(古い慣習の話にはなりますが)ウチは『新家』だから、自分で入るお墓をあらかじめ決めておきたい」とか、金銭的な負担になるから、あるいは、自分を見送ってもらう葬儀は自分で決めておきたい、という理由で自分が健康なうちに、文字通り「終い方」を考えられるお客様も多い印象です。
判断能力が低下した状態では、遺言を書いて行くのも大変です。
自分自身で判断できる状態の時に、自分の意向で、本当に今の自分に必要なものを取捨選択できる機会を、得る事ができるのです。
生前整理をどのように行いたいのか、それを表現する方法は、遺言だけではありません。
もっと簡単に「エンディングノート」という形で表現することもできます。
3.気負うことなく「整理」の延長を始めたら、きちんと生前整理をする必要性に気づいた
横浜ベスト遺品整理社では、実家の整理をご依頼いただくことも多くございます。
お客様が最初に意識されているのは、あくまでも実家の整理なのですが、ご自身で整理についてよくよく考えていたら、「自分自身の生前整理を今のうちからしておく必要があるかもしれない」という必要性に気づかれ、終活を意識される方もいらっしゃるようなのです。
お家の片付けをしていて、家に不必要なものを処分しようとしたら、物の多さに圧倒され、必要なものと必要でないものの違いが自分にしかわからない、ということに気づいた、と仰っておられました。
ご自身の死後に、価値あるものもまとめて全て処分されてしまうことを考えれば、否応無しに生前整理の必要性を認識させられる自体となるわけです。
家族のサポートがあれば、生前整理はよりよく思い通りに進められる
いかがでしたでしょうか。
家族に負担をかけたくない、自分自身の判断能力が低下する前に、自分できちんと人生の「終い方」を考えてみたい。
このように考えるご高齢の方は、実は多いのです。
あなたの、ご両親やお祖父様、お祖母様はいかがでしょうか。
上にご紹介した「終活」や「生前整理」に意識が向くご高齢の方の気持ちを汲み取って、正しい情報を基にして、良い終活や生前整理が行われるために。
その鍵は、実は、孫のあなた、子供のあなたが握っているかもしれません。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。