終活・生前整理 掲載

終活や生前整理を手伝うなら絶対に「捨てる」と言ってはいけない。

生前整理や終活で失敗してしまう原因となるのが「言い方」です。ご両親の終活や生前整理を成功させるために知っておきたい「言ってはいけない」表現をまとめました。
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お家で過ごす時間が増えて生活空間への意識が高まり、実家に帰省したとき、両親に片付けを勧めたくなったという方も多いのではないでしょうか。

実は、ご両親の終活や生前整理を行なっているさいについついキツい言い方となってしまったり、責めるような発言をしてしまうという経験をお持ちの方は少なくありません。

とくに実家で一人暮らしをされているお母様やお父様がいらっしゃる方にとっては、身を案じてついつい口を出してしまうこともあることでしょう。

何かと心配なことの多い高齢者の一人暮らし。じっくり話をしようにも話題の切り出し方がわからないという方も多いことでしょう。

せっかくご本人がお片付けを決心されても、家族関係を悪化させてしまうのが心配という方もいらっしゃるかもしれません。

そこで、今回は、終活の一環としてお片付けを決心されたご本人に対して、家族がどのように接した方が良いのかを考えてみました。

今後、ご実家や、ご家族の暮らすお家をお片づけされようとしている方への一助となれば幸いです。

実家の今後に不安を抱えている人が考えるべきこと・考えてはいけないこと

部屋の散らかり具合は大切なサイン

ところで、最近ご実家が以前より散らかっているなぁ、とお感じになる方がいらっしゃるかもしれません。

お部屋の散らかり具合は、生活されている方の体調を把握する上でのサインとなります。

以前よりも散らかり始めている場合には、加齢により日常生活で体を動かすことが難しくなってきている可能性があります。

こうしたケースでは掃除をうまく行うことができないためゴミ袋に入ったままの空き缶などが部屋に溜まってしまっていたり、脱いだままの洋服や布団が散乱するなどといった状態になっているケースが多くなります。

中にはトイレの前に布団を敷き、テレビのリモコンや新聞紙などが置かれているようなケースも目にしてきました。

今後経験するかもしれない日常生活への15の支障を知ろうでもご紹介しましたが、話題にしにくい加齢による日常生活への影響を、言葉を交わすことなく把握できるのが「部屋の散らかり具合」だと言えるかもしれません。

さらに部屋が散らかっていると思わぬケガにつながる恐れもあります。ちょっとした段差につまづくなどの日常生活だけではなく、地震などの災害により、大怪我につながる恐れがあるため、注意が必要です。

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生前整理や終活は、シンプルに「部屋のお片づけ」であると理解しよう

生前整理や終活という言葉が与えられているために誤解を生んでいることが多いのですが、生前整理や終活は単純に「お部屋のお片づけ」です。

普段使うことが少ない生前整理や終活という言葉に、何か特別な意味があるように思い込んでしまうと、「自分の人生の仕舞い方」とか「ご両親の大切なお部屋を片付ける」という面にばかり目がいき、実際の部屋の整理についての作業が進まなくなってしまうものです。

大げさに考えないで、大掃除やお部屋を片付ける、というイメージでスタートにするのが良いでしょう。

いきなり全体に手をつけるのではなく、自分たちが手をつけられるところからスタートする、まず始めて見るのがとても大切なのです。

終活とは:より充実した人生のために家族と共に進める5ステップ

生前整理や終活を円滑に進めるための考え方

生前整理や終活をご家族が手伝って行う場合、モノをどのように扱うかで判断が分かれることもあります。

たとえば、家族の反対があったり、まだ使えるからという理由で、手をつけることに反対されることが想像以上に多いのです。

意見が割れやすいアイテムの1つとして、生前整理や終活を経験された方の多くが口を揃えて仰るのが「洋服」だと教えてくださいます。残された洋服の処置にとても多くの時間を費やしたというのです。

なるほど確かに、遺品整理や生前整理の現場作業でも当たり前のように100着、200着の洋服が出て参ります。

少し前に『フランス人は10着しか服を持たない』という本が話題になりました。日本において10着で暮らすのは不可能かもしれませんが、ライフサイクルをよく考えると、100着以上の洋服が必要でしょうか。

生前整理や終活という言葉にこだわることなくお部屋の片付け、「断捨離」として考えることも重要なのかもしれません。

終活のための断捨離:生前整理を業者に依頼すべき理由とやり方

生前整理や終活は遺品整理業者がどんどん増える理由のひとつ!?

生前整理や終活が話題なることと、遺品整理業者が年々増加している間には、ある関係があります。

それは、業務の関連性や、お金の問題ではありません。

現代人は、部屋丸ごと、家一軒丸ごと整理しようとするにはあまりにも物が多すぎるからなのです。

これが遺品整理や生前整理がビジネスとなった理由の1つです。

消費財が少なかった江戸時代や戦前までと比較して、高度経済成長後の消費社会では、文字通りモノが溢れました。

そこで、お客様の代わりにお部屋をお片づけすることで、対価をいただいて作業をする職業が成り立っているという側面があるのです。

https://www.bestworkers.jp/ihin-seiri/points-of-good-at-choosing-a-company-is-case-examples/

「捨てる」はタブー:これを言うから作業が進まなくなる。

せっかく終活や生活整理を行うなら、家族全員が協力して納得の上で作業を進めたいところです。

しかしながら、これまで述べてきたように、まだ使えるからもったいない、などの理由から遅々として進まないケースもあることでしょう。

まだ使えるのにもったいないという考えを否定するつもりはまったくありません。

しかし、せっかく決意された作業が進まなくなってしまうことは、結局、最終的にご本人の意思に沿わない形で生前整理、場合によっては遺品整理が行われてしまうことを意味します。

せっかく生前整理を決意されたのにそんな不幸なことがあっていいわけがありません。

そこで、これらの思考を一挙に解決するための言葉をお伝えしたいと思います。

それは、絶対に「捨てる」と言わないこと。

これは横浜ベスト遺品整理社のスタッフも全員共有している考え方でもあり、私たちスタッフは発言することもありませんし、文字にもしない、見積もりにも捨てるという表現は徹底して避けています。

理由はとても簡単で、「捨てる」とは、もう必要ないものであることを印象づけるから。

まだ使えるものや魂が宿ったものは捨てるべきでない、というが私たちの考え方なのです。

そんな私たちが「捨てる」の代わりに使っている言葉が「手放す」です。

なんだそんなことか。と思わないで、ぜひこの表現を使ってみてください。

これでスムーズに行った例も実際にあるんです。

なぜスムーズに捉えてもらえるのか考えましたが、明確な理由はわかりませんでした。

ただ、手放すという表現はその先に受け入れる存在を想像させます。

  • 車を手放す。
  • 家を手放す。
  • 大切にしている●●を手放す。

たとえば「乗り捨て」とは表現しますが、自分の車を捨てるとは言いません。「自分の車を捨てる」って、マフィア映画とかの字幕に出てきそうですよね。笑

トヨタの社長さんも仰ってましたが、車は特別な工業製品で「愛車」って言います。

愛犬、愛猫、愛車。「愛書」とか「愛家」とは言いませんし。本当に不思議。

車は動産の中でも価値が高いものであり、なおかつ移動を共にする相棒だからこそ「愛車」そして、「手放す」と言えるのではないでしょうか。

つまり、大事なものだし思いが詰まったものだけど・・・「手放す」

すると、物に対しての敬意が含まれているように感じられませんか?

手から放すことによって、その手が空きます。

するとまた別の大切な何かを手にできるのかもしれません。

親に終活してほしいといえない時は、一緒にやってみるのも良いかもしれません。

「捨てる」と言わずに「手放す」と表現することが重要なのはわかったが、実際に自分の親に終活を始めてほしいと言い出せないという方もいらっしゃるかと思います。

翻ってみればこれは親御さんが「子供に相談すべきことじゃない」と考えているからかもしれません。

自分の終活について子供にできる限り、話題にしたくないと考えている場合、子供世代が手伝うのは難しくなってしまいます。

親御さんに片付けを提案するときに良い方法としては、生活環境の改善(キレイなお家で生活していただく)、地震などでケガをしないように防災の観点から部屋を片付けるといったポイントが考えられますが、もっともスムーズなのが「一緒にやってみる」ということです。

一緒にやってみるとなると、ハードルが上がるように感じますが、何も終活のセミナーや、本を一緒に読むだけが一緒にやることではありません。

防災や、有事の際に自分の意思や、大切な情報が家族にしっかりと伝わるための備えをしておくことは年齢に関係なく必要なことですし、決してマイナスなことではないでしょう。

いざという時のために、ご家族全員で必要な情報の洗い出しや、意思の反映をしておくことは大切です。

有事の際の取り決めの延長で「災害に強い部屋とする」とか「いざというときに、どうしてほしい?」と言った問いかけが生まれるかもしれません。

親世代と子供世代では、見解の相違がみられることもしばしばです。

だからこそ、終活を一緒に取り組んでみることは、価値観を共有する上でこの上なく良い方向性となることでしょう。

賢く終活している人がやっている「やることリスト10項目」

生前整理や終活で大切な思考法のまとめ

今回は、生前整理や終活では「捨てる」と言ってはいけない理由についてご紹介してきました。

私たち横浜ベスト遺品整理社でもご遺品や必要なくなったものを「ゴミ」と表現しません。

確かに、ネガティブなイメージが悪循環を生まないように配慮すれば、ご両親、ご家族の協力を得やすくなるはずです。

今回の話題をまとめると、以下のようになります。

  • 生前整理や終活は単純に「お部屋のお片づけ」であると考えよう。
  • 「捨てる」と言わずに「手放す」と言おう。
  • 不安を軽減するために「一緒に」やってみよう。

これまで家族の大切な思いを両手に握っているあなた。それはとても大切なことです。

両手に握りしめている思い出を、片手だけでも少し緩めそして放して周りを見渡すと、今ここにある、もっと大切な思いを握りしめることができるのかもしれません。

こうした考え方を持つか持たないかで、大きく結果が変わる例を見てきました。

皆さんもぜひ、こうした表現を見直してみてください。

当記事が生前整理に取り組まれる皆さんへの一助となれば幸いです。

最後までお読みくださいまして、ありがとうございました。

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